蜂の子はどこで食べられているの?

蜂の子とは、蜂の幼虫やサナギのことです。砂糖と醤油で煮込んで佃煮にするほか、油で炒めると美味しくいただくことができます。しかし、スーパーやデパートではまず見かける機会がなく、あまり馴染みがないという方も多いでしょう。ここでは、蜂の子がよく食べられている地域はどこなのかをご紹介します。

蜂の子をよく食べている地域

蜂の子は、ビタミン・ミネラル・アミノ酸を豊富に含んだ食材で、日本でも古くから貴重なタンパク源として親しまれていました。1919年に農商務省によって行われた「食品及薬用昆虫に関する調査」では、北海道から鹿児島県まで日本各地で、蜂の子を食用にする習慣があったことが判明しています。

現代は、流通技術が発達して食文化が変化したことから、蜂の子を食べる地域は少なくなりました。しかし、今なお蜂の子を食べる文化が残っている地域もあるのです。

長野県や岐阜県

長野県や岐阜県などの信州地方は、海から遠くて魚を確保しにくかったため、山で採れる蜂の子を使ったユニークな郷土料理が伝わっています。

長野県は昆虫食文化が根差しており、蜂の子やイナゴの佃煮が有名です。また、岐阜県恵那市では、毎年11月に持参したクロスズメバチの巣の大きさを競う「へぼ祭り」が開催されています。へぼとは、岐阜県でのクロスズメバチの呼び方です。会場では、蜂の子を使った炊き込みご飯や、すり潰した蜂の子を加えた味噌ダレを塗ったお餅などの料理を堪能することができます。

宮崎県北部

宮崎県北部の山間部では、毎年秋に採れたオオスズメバチの蜂の子を使ったそうめんを食べる文化があります。油で炒めたオオスズメバチの蜂の子にお湯をかけ、そうめんを加えたものです。オオスズメバチの蜂の子でとった出汁は、バターのような濃厚な旨みがありながら、後味もさっぱりしていて絶品とされます。

世界各国で食べられている蜂の子

蜂の子は、日本だけでなく世界各国で親しまれてきた食材です。国によって、健康目的で食べるケースや、蜂の子を使ったレシピを発展させているなどの違いが見られます。ここでは、蜂の子が文化に深く根差している中国・タイ・ルーマニアのケースを見ていきましょう。

中国

中国での蜂の子の歴史は大変古く、約2000年前に書かれた薬学書「神農本草経」では、蜂の子は長期間摂取することで体質を改善させる生薬であると記載されています。そのため、中国では蜂の子を漢方の一種として扱っているのです。

また、漢方だけでなく食用としても広く親しまれています。特に中国の南西部に位置する雲南省は昆虫食文化が盛んで、町の市場でもパックに詰められた蜂の子や、蜂の巣を丸ごと販売している光景がよく見られるのです。

タイ

タイやベトナム・ラオスは、熱帯に位置して自然環境が豊富なことから、昆虫食文化が浸透しています。特にタイでは、蜂の子料理を提供しているレストランやホテルが多く見られます。蜂の子をネギ・唐辛子・魚醤などと混ぜ合わせた「ラープ」や、蜂の子と野菜を炒めてレモングラスで香り付けした料理を楽しめるのです。

また、タイ東北部に位置するナコンラチャシマ県では、国道沿いの屋台で蜂の子が入ったままのミツバチの巣が販売されている光景も見られます。購入した蜂の巣は、柿の葉やバナナの葉で包んで蒸し焼きにして食べられているのです。

ルーマニア

ルーマニアは、ミツバチ産品を使って健康を目指す「アピセラピー」という試みが盛んに行われ、養蜂大国とも呼ばれます。ハチミツやローヤルゼリーとともに、蜂の子もミツバチ産品として健康効果が注目されているのです。

ルーマニアでは1970年代より、蜂の子のうちサナギではなく幼虫の健康効果について研究が進められてきました。幼虫を使ったレシピとして、蜂の子をスプーンで潰してペースト状にし、ハチミツや花粉と混ぜ合わせたものがあります。ルーマニアでは、疲れが取れるレシピとして親しまれているのです。

まとめ

蜂の子は、かつては日本全国で貴重なタンパク源として親しまれていた食材です。しかし、流通技術の発達とともに食文化も変化し、現在はスーパーなどお店で見かける機会はまず無いといっていいでしょう。

また、蜂の子は日本だけでなく世界各国で親しまれている食材です。特に、中国・タイ・ルーマニアでは、旅行中に屋台やお店で見かける機会も十分に考えられます。

蜂の子はアミノ酸・ビタミン・ミネラルを豊富に含んだ優秀な健康食品です。将来予想される食糧危機への有効な対策として、今後さらに注目が集まることが期待されます。