蜂の子ってどんな味?

蜂の子は、日本の食用昆虫としてイナゴと並んで広く親しまれている食材です。希少価値が高いため、スーパーやデパートでも目にする機会はほとんどなく、どんな味か想像がつかないという方も多くいます。今回は、蜂の子はどんな味がするのかをご紹介しましょう。

蜂の子の味

蜂の子は、缶詰に入った佃煮・甘露煮や、未加工の冷凍蜂の子といった商品をネット通販で購入することができます。醤油・みりん・砂糖で味付けされているため甘辛い風味がありますが、蜂の子自体は淡白でクセのない味わいを持った食材です。見た目は幼虫そのものなので、噛むとブチュッと潰れるように思われがちですが、実際にはしっとりとした固形物のような食感があります。

また、未加工の蜂の子をよく見ると、中央に黒い筋のようなものが見られます。これは幼虫の内臓と代謝物です。そのまま食べると苦味やエグみが感じられてしまうため、内臓を取り除く下処理をすることでより美味しくいただくことができます。

蜂の子の下処理の方法について、もっと詳しく知りたい方はこちらへ。

幼虫とサナギでは風味が変わる

蜂の子製品には、幼虫だけでなくサナギや成虫になりかけの個体も含まれています。

幼虫がサナギになる際に、体内の代謝物を全て排出します。そのため、サナギには代謝物が含まれておらず、下処理をしなくても美味しくいただくことができるのです。特に、サナギになる直前の「前蛹(ぜんよう)」という状態は、クセが無くて小エビのような食感があり、最も美味しいといわれます。

また、成虫になりかけの個体は表面の殻が出来つつあるため、柔らかいエビの殻のようなシャリッとした食感があります。佃煮などの甘辛い風味には、成虫の食感が絶妙にマッチするのです。

種類によって風味に違いがある

蜂の子といっても、蜂の種類によって風味や形に違いがあります。市場で流通しているのは、主にクロスズメバチ・ミツバチ・オオスズメバチの蜂の子です。

クロスズメバチ

クロスズメバチは、土中に巣を作ることから別名「地蜂(じばち)」とも呼ばれます。通販で販売されている蜂の子の佃煮や甘露煮は、クロスズメバチの幼虫が使用されている場合が多く、蜂の子というと一般的にクロスズメバチを指すのです。

長野県や岐阜県など信州地方では、クロスズメバチの蜂の子を使った炊き込みご飯が郷土料理として広く親しまれています。

ミツバチ

ミツバチの幼虫は、ハチミツや花粉を与えられて育っています。そのため、肉食性のクロスズメバチに比べてクセが少なく、自然な甘味が感じられるのです。

養蜂場では、採取したミツバチの蜂の子を油で炒めて塩をふりかけ、子供のおやつとして振る舞っているところもあります。

オオスズメバチ

オオスズメバチの蜂の子の特徴は、何といってもその大きさです。約3センチもあるため、タレを付けて串焼きにするほか、素揚げにして食べられています。

また、宮崎県の北部では、オオスズメバチの蜂の子を炒めて出汁を加え、そうめんにして食べる郷土料理もあります。炒めたオオスズメバチの蜂の子からは、バターのような濃厚な旨みが出るため、蜂の子を採取できる秋の名物として人気があるのです。

まとめ

蜂の子は、見た目に反してクセが少なく、淡白でしっとりとした食感のある食材です。佃煮や甘露煮には、成虫になりかけの個体も含まれ、シャリッとした食感がアクセントになって美味しさを引き立ててくれます。

見た目は幼虫そのままなので、ちょっと抵抗を感じてしまうかもしれません。ですが、好奇心の冷めやらぬうちに食べてしまえば、予想以上にさっぱりとした味わいを感じていただけるでしょう。